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    モッサン

    Author:モッサン
    タイトルは夏目漱石『草枕』の一節。ここは、本業である研究以外の日頃の活動、出会った人々、読んだ本、見た映画などなどをご紹介するブログです。

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2009/01/12(Mon)

『バティニョールおじさん』

 下の画像は、ラン。以前青いランを紹介したことがあるが、今回は薄黄色。清楚な雰囲気が漂っており、なかなかきれいである。




 さて、先週末の深夜、NHKBSで『バティニョールおじさん』という映画がやっていたので鑑賞。先日の記事で『ナチスと映画』という本を読んだことを記事にしたが、この映画もまさにナチス映画の一つ。物語の舞台はナチス占領下のパリ。主人公バティニョールおじさんがふとしたことからユダヤ人の子どもたちを助け、スイスへと逃がすという物語。子どもたちが小生意気ながらも可愛らしく、緊迫した中でのおじさんと子どもたちの信頼と友情に気持ちが温かくなる。なかなか良い映画だった。




 詳しい感想は、映画ブログの方に譲るとして、「なるほどな〜」と思ったのは当時のナチス・ドイツに対するフランス人の複雑な心情である。ご承知の通り、第二次世界大戦中フランスは、ナチス・ドイツに占領された経験を持つ。ナチス占領下のフランスには親ドイツのヴィシー政権が成立し、フランス人はナチス・ドイツへの協力を求められることになった。

 以前『マレーナ』を見たときの映画ブログで、ナチス将校と交際していたパリジェンヌが、フランス解放後、民衆から袋叩きにあったということに触れている。ナチスに協力的だった人が、こうしたパリジェンヌのように戦後不遇の目にあうのも、何となく分かるような気がする。
 が、この映画を見ると、ナチスに協力していたのが、一部の限られた人々だけではなかったということが分かる。考えてみれば当然のことだが、例えば企業からすれば商品を買ってくれさえすれば、たとえ相手がナチスであっても客は客に違いない。バティニョールの仕出屋に限らず、ナチスの将校やヴィシー政権を相手に商売をした人々が相当いたであろう。
 ただ、この映画を見ると分かるように、そうした人々の心情にもいくつかの側面があったようだ。影でナチスを罵っている人や、そうした人々を密告するような人(フランス人から見れば裏切り者)、ナチスとの取引に旨みを覚え積極的に関係を作ろうとする人、ヒトラーをヨーロッパに新秩序をもたらす者として崇める人などである。同時に、ナチスの支配に屈せず、レジスタンス活動を行うような人々もいたわけである。当時のフランス人の心情が多様だったことをうかがい知ることができるだろう。

 面白いのは、同じように占領された経験を持つ日本と較べたとき。良い悪いはともかくとして、戦後の日本が一気に親米国に変わったというのは、ご承知の通りである。戦中と戦後の国際状況が大きく異なってはいるものの、レジスタンスを行おうという人々はもちろん、占領する連合国を批判する人々も、日本では余り一般的ではなかったのではないだろうか。だとすると、占領されたフランス人と日本人の違いはどこからくるのだろうか。などという疑問を考えていったら、恐らく論文が一本出来上がりそうなので、ここでやめておくが、この映画で描かれる占領中のフランス人の心情が、占領下の日本人と異なっているところが、非常に興味深い点であった。


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  • こんにちは。

    コメント&TB有難うございました。

    あぁ『マレーナ』…。
    彼女の美しさと、彼女に恋する少年の「お幸せに」、印象的でした。

    私は「好き嫌い」だけで映画を観てしまいますが、こうして時代背景を踏まえながら再観したら、もっと見えてくるものがあるのでしょうね。分かり易くて、興味深く拝読しました♪
    また伺いますね。宜しくお願い致します。

  • のりよさん、こんにちは。
    こちらこそコメントありがとうございます^^。

    『マレーナ』をご覧になっておりましたか。少年の「お幸せに」は、確かに印象的なセリフでした。きっと、いろんな意味がこもっているんでしょうね。

    >こうして時代背景を踏まえながら再観したら、もっと見えてくるものがあるのでしょうね。
    自分の場合、ただ歴史好きのうんちくを披露しているだけなので、お恥ずかしい限りです^^。

    こちらこそよろしくお願い致します。

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