• カレンダー

    09 | 2017/10 | 11
    1 2 3 4 5 6 7
    8 9 10 11 12 13 14
    15 16 17 18 19 20 21
    22 23 24 25 26 27 28
    29 30 31 - - - -

  • プロフィール

    モッサン

    Author:モッサン
    タイトルは夏目漱石『草枕』の一節。ここは、本業である研究以外の日頃の活動、出会った人々、読んだ本、見た映画などなどをご紹介するブログです。

  • 検索フォーム


2009/06/07(Sun)

宮部みゆき『英雄の書 上・下 』(毎日新聞社)




 宮部みゆきの『英雄の書』を読んだ。といっても、読み終えたのはかれこれ2ヶ月近く前。今回の記事には、その感想をまとめておくことにする。

 昨年の夏に読んだ『ブレイブストーリー』以来の宮部ファンタジーだ。目の前の現実の世界とは別の世界が存在するという多層世界を舞台とした物語設定が、『ブレイブ―』とよく似ている。
 などと、同じ宮部作品ということで、どうしても『ブレイブ―』と較べてしまう。ファンタジー小説に対する私の好みの問題かもしれないが、「『ブレイブストーリー』とどちらが好き?」と尋ねられたら、私は『ブレイブ―』を選ぶだろう。なんというか、『英雄の書』はどことなく窮屈な狭苦しい雰囲気があるのだ。

 この記事を書きながら「あの狭苦しい雰囲気は何だったのだろう?」と思い、『英雄の書』と『ブレイブ―』をぱらぱらめくりながら較べてみた。で、気づいたのが『英雄の書』には「旅」がないということ。
 例えば『ブレイブ―』では、所々に登場人物たちの「旅」の場面が織り込まれている。一方、『英雄の書』には「旅」がない。詳しくは小説をお読み頂くとして、『英雄の書』の登場人物たちは移動を瞬間的に行ってしまうのである。『ブレイブ―』に限らず、ファンタジー小説によくある「旅」の場面は、物語を織り成す様々な場面の一部に過ぎないと思っていたが、実は物語の中の広大な世界を空間的に認識させる重要な役割を果たしてているのかもしれない。そう考えれば、『英雄の書』を読みながら感じた窮屈感も納得がいく。

 なんだか批判ばかりになってしまったが、総じていうならこの小説が面白い作品であることは間違いない。特に、アジェのように本に人格を持たせたところは、なかなかのアイデア。思わず自分の本棚の本たちがいとおしくなってしまった(笑)。それに、物語のベースにある少年犯罪や殺人に対する作者の考え方には、なるほどな〜と思った。宮部作品らしく社会的な問題意識に溢れた作品である。

 上にも書いたが、『ブレイブ―』と較べてしまうと、やっぱり『ブレイブ―』の方が私は好きだ。でも『英雄の書』の方が好きという人がいてもおかしくはないと思う。これはもう「好みの問題」としかいいようがない。ゲームに例えるなら、『ドラクエ』(≒『ブレイブ―』)が好きか『ウィザードリィ』(≒『英雄の書』)が好きかといったところだろう(ゲームを全くやらないのでわからないが、今時『ウィザードリィ』を知っている人っているんだろうか?)。

 それにしても、『英雄の書』は続編を期待させるような終わり方だったが、これは、続編があると信じて良いのだろうか?



Home | Category : 読書 |  コメントアイコン Comment0  |  Trackback4

トラックバック ▼


  • 宮部みゆき「英雄の書」

    宮部みゆき著 「英雄の書」を読む。 このフレーズにシビれた。  ヘイトランドは、既に"紡ぐ者"の手を離れてしまっていて、どうすることもできないのか。ならば、"紡ぐ者"というのは ... ...

  • 山口県 - オークションワン

    1発落札も夢じゃない!驚愕の1円落札者続出オークション! ...

  • 栃木県 - オークションワン

    1発落札も夢じゃない!驚愕の1円落札者続出オークション! ...

  • 新潟県 - オークションワン

    1発落札も夢じゃない!驚愕の1円落札者続出オークション! ...

コメント ▼

    

画像の文字を半角数字で下記ボックスに記入ください。
文字が読みにくい場合はブラウザの更新をすると新しい文字列が表示されます。

Home Home | Top Top
  1. 無料アクセス解析