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    モッサン

    Author:モッサン
    タイトルは夏目漱石『草枕』の一節。ここは、本業である研究以外の日頃の活動、出会った人々、読んだ本、見た映画などなどをご紹介するブログです。

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2009/09/03(Thu)

森見登美彦『四畳半神話大系』(角川書店)

 『四畳半神話体系』を読んだ。

 森見登美彦の小説は、去年読んだ『太陽の塔』に続き2冊目。硬派でそれでいて自虐的なモリミー節は健在である。

 「あの時こうしておけば良かった」と過去の選択の過ちを嘆いた経験は、誰にだってあると思うが、小説の主人公は大学入学時にとあるサークルに入会したことを悔いている大学生。彼は、そのサークルで小津という悪友と出会ったことが、その後の学生生活を惨憺たるものにしてしまったと考えている。じゃー入学時に別の選択していたら、主人公はどう変わったのかということを、並行世界によって表現したのがこの小説だ。

 4章立ての各章で、大学入学時の主人公が異なる選択肢を選んだ場合の物語が展開する。2章以降の各章のかなりの部分が1章のコピーである。2章の冒頭を読み、1章と全く同じだと気付いた時は、製本ミスの不良品を買ってしまったかと思った。コピー&ペーストを巧みに(?)使い、物語の中に見事なパラレルワールドが構築されていく。PCが普及した現代だからこそ可能な物語といえるだろう。

 こうした物語構成の珍しさもさることながら、物語そのものもなかなかである。物語中、とある平行世界で起きたある出来事が、別の平行世界で起こる別の出来事と裏で結び付いていたりする。説明が難しいが、舞台を表からだけ見るのではなく、裏側も覗いて楽しむような感覚だ。一気に読み終えてしまった。ある意味ものすごい手を抜いた小説のはずなんだけど・・・。なかなかお勧めの小説である。



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